- 生命保険ってたくさんありすぎて、どうやって選べばわからない。
- 30代になったし、親に保険に入れと言われたけど何に入ればいいかわからない
- 子供が産まれたけど、保険に入った方がいいの?
など、保険に加入しようとするだけで多くの悩みがあります。
30代に入ると、ライフスタイルが大きく変わる人も多いでしょう。
例えば、小さい子どもがいる人が、独身の人に向いている保険に入っていると万が一亡くなったとき遺された家族にお金が残せないかもしれません。
このように保険選びを間違えてしまうと保険に入っている意味がなくなってしまうリスクがあります。
環境によって入るべき保険は変わるので、しっかりと自分に合った保険選びが大切です。
保険は家の次に高い買い物だとよく言われています。
無駄なお金を払わないよう、しっかりと見極めて保険を選ぶ必要性があります。
この記事では、
- 生命保険を選ぶときに大切なこと
- おすすめの保険をパターン別に解説
- 保険に加入するメリットデメリット
- 合わせて知っておくべき公的制度
を、FP2級を持ち、保険代理店で営業経験のある私が分かりやすく説明します。
ぜひ最後までお読みください。
保険を選ぶときは何が不安かを考える
保険を選ぶときに一番重要なことは何が不安なのかを考えることです。
保障内容がいい保険を見つけることや、安い保険に入ることも大切ですが、本当にそれは自分に適した保険でしょうか。
不安ごとの例をあげると、
- 自分が亡くなったとき遺された家族の生活が心配
- 入院した時の医療費は払えるだろうか
- 長期的に働けない状況になったときの生活費はどうする?
私自身が保険代理店で相談を受けているときに多かった不安はほとんど例に挙げた3つです。
人それぞれ不安や悩みは異なっていて当然です。
保険に入る前に、今一度自分は何が不安なのか?を考えてみてください。
そして、その不安にあった保険選びをすることが大切です。
パターン別で見る30代の生命保険の選び方
自分の不安が明確になったところで、保険の選び方がわかるわけではありません。
現在の状況によって保険の選び方は変わります。
- 独身の自営業・フリーランス
- 独身の会社員
- 既婚の自営業・フリーランス
- 既婚の会社員
- 30代既婚(子持ち)の自営業・フリーランス
- 30代既婚(子持ちの会社員)
の6パターンについて解説していくので、自分の状況と同じ項目を見て参考にしてください。
30代独身の自営業フリーランス
独身かつ自営業・フリーランスの人は、会社員に比べて働けなくなった時の保障が手薄になります。
自営業では、仕事ができない=収入ゼロになりますので、最低限の生活費が確保できるだけの保険に加入することをおすすめします。
就業不能保険とは、病気やけがで働けなくなったときの収入減に備える保険です。
就業不能保険は、働けない状況になったからといってすぐに保険が支払われるわけではありません。
保険商品にもよりますが、60日間の免責期間が設けられていることが多いです。
ほとんどの就業不能保険はうつ病などの精神疾患が支払い対象外なので注意が必要です。
※30代の場合、精神疾患での受診が多い傾向にあり、働けなくなる理由の一つになりえます。
参照:令和2年(2020)患者調査(確定数)の概況
働けない状況になる前に、入院や手術をして高額な医療費がかかる可能性があります。
そんなときに、医療保険があると安心です。
女性は婦人科系の病気が見つかりやすくなる年齢です。
がん保険や医療保険にがんの特約をつけておくと安心です。
お葬式代にかかる費用は必要になるので用意しておきましょう。
終身保険は貯蓄型の保険です。
払込満了になると解約してお金を受け取ることもできます。
※注意点
お葬式代は貯金があるから大丈夫と思っていても、預金者が死亡したことがわかると銀行は口座を凍結しお金を引き出すことができなくなります。
奨学金・借入金がある人は残された人が返済をする必要があるため、借入金分の死亡保障を準備しておくのをおすすめします。
独身の人は、お葬式代などの最低限の死亡保障のみで大丈夫です。
大きな死亡保障はいりません。
30代独身の会社員
働けなくなったときに、
- 生活費3ヵ月の貯蓄だけだと不安
- 100万円の貯蓄だけでは半年の生活費は足りない
など貯蓄額に不安を感じる人は就業不能保険を検討してください。
もし会社に就業不能保険のような団体保険があれば、そちらを検討しましょう。
普通に加入するよりも割安です。
ただし、精神疾患に対応している内容か確認が必要です。
※30代の場合、精神疾患での受診が多い傾向にあり、働けなくなる理由の一つになりえます。
参照:令和2年(2020)患者調査(確定数)の概況
医療保険も貯蓄額に不安があれば加入を検討してください。
会社の団体保険が割安なので、団体保険があれば他社の保険と比較してみてください。
女性の場合は、婦人科系の病気が見つかりやすくなる年齢です。
がん保険や医療保険にがんの特約をつけておくと安心です。
基本的には大きな死亡保障は不要ですが、お葬式代が必要と感じる人は最低限の死亡保障をもっておくだけで問題ありません。
※注意点
お葬式代は貯金があるから大丈夫と思っていても、預金者が死亡したことがわかると銀行は口座を凍結しお金を引き出すことができなくなります。
奨学金・借入金などの返済義務があるものを持っている人は返済に必要な額の死亡保障を持っておきましょう。
終身保険は貯蓄型の保険です。
払込満了になると解約してお金を受け取ることもできますので、最低限の死亡保障を持ちつつ、貯蓄も可能です。
30代既婚の自営業フリーランス
保険の選び方は、独身自営業フリーランスの人と変わらないです。
働けない=収入ゼロになる場合は生活費の確保をするための保険を考えましょう。
貯蓄があれば不要ですが、入院したときの医療費の不安があれば貯蓄ができるまで医療保険に加入すべきでしょう。
女性の場合は、婦人科系の病気が見つかりやすくなる年齢です。
がん保険や医療保険にがんの特約をつけておくと安心です。
どれくらい医療費がかかるのかは、このあとの「保険に入る前に押さえておくべき3つの制度」で紹介します。
もし将来的に子どもを予定している夫婦は、前もって教育費の積立を始めるのも良いでしょう。
終身保険で最低限の死亡保障を確保しつつ、払込満了後に解約をすることでお金を受け取れます。
例)30歳男性が300万の終身保険に加入
- 払込満了は15年後
- 万が一亡くなった場合はどのタイミングでも300万の受け取り
- 払込満了となる15年後以降、解約をすると払い込んだ金額と同等の解約返戻金あり
15年払込満了以降に解約をして返ってくるお金を教育費に充てることができます。
※学資保険と同じく教育資金を貯める目的での加入である。解約すると死亡保障はなくなるので注意。
※教育資金の積立と死亡保障は分けて考えたい!という人にはおすすめしません。
30代既婚の会社員
夫婦共働きで、どちらかの収入がなくなったときに生活が立ち行かなくなるのであれば就業不能保険で備えておくほうが安心できます。
ただし、公的制度が充実しているので大きな保障は必要ありません。
公的制度については、このあとの「保険に入る前に押さえておくべき3つの制度」で紹介します。
結論、収入減や医療費をまかなえる貯蓄があれば、就業不能保険、医療保険は不要です。
どれくらい医療費がかかるのかは、このあとの「保険に入る前に押さえておくべき3つの制度」で紹介します。
「30代既婚の自営業フリーランス」でも紹介したとおり、子どもを予定している場合は事前に終身保険を使って教育資金の積立を始めておくといいでしょう。
30代既婚(子持ち)の自営業・フリーランス
自営業・フリーランスは死亡時に遺族基礎年金が遺された家族に支給されます。
保障が何もないわけではないので安心してください。
ただ、遺族基礎年金だけでは生活費と子どもの教育費は足りないでしょう。
※遺族基礎年金の金額は「保険に入る前に押さえておくべき3つの制度」で解説します。
子どもが独立するまでの間は、収入保障保険で大きな死亡保障を確保しておきましょう。
教育費の中で一番大きな金額が必要になるのは大学入学1年目です。
国立、私立でも変わりますが入学金と1年目の授業料で約230万円かかったと日本政策公庫のアンケート調査結果があります。
1年目の大きな負担額を事前に準備するためにも、教育資金の準備が必要です。
万が一病気やけがで働けなくなったときに、自営業・フリーランスは公的制度が手薄なので、就業不能保険で用意しましょう。
貯蓄に不安がある人は、あわせて医療保険も検討してください。
どれくらい医療費がかかるのかは、このあとの「保険に入る前に押さえておくべき3つの制度」で紹介します。
30代既婚(子持ち)の会社員
子どもがいる場合は、大きな死亡保障が必要になります。
家族の生活費や学費にかかる分はしっかりと用意しておきましょう。
ただ、保険だけで準備をしなくても会社員の人は遺族基礎年金+遺族厚生年金がありますので、足りない分だけ死亡保障を検討してください。
毎月給与のように支払いしてくれる収入保障保険は、無駄のない仕組みで保険が作られているため掛け金もおさえられます。
万が一のことがなくても、子どもの教育費は必ずかかります。
1番お金のかかる大学入学に向けて、教育費を貯めましょう。
国立、私立でも変わりますが入学金と1年目の授業料で約230万円かかったと日本政策公庫のアンケート調査結果があります。
終身保険もしくは学資保険での積立ができます。
就業不能保険は、自営業の人よりは必要性がないです。
もし働けない状況になったときの収入減に不安があれば、会社の団体保険の就業不能保険に加入しましょう。
医療保険は貯蓄に不安がある人は加入しましょう。
どれくらい医療費がかかるのかは、このあとの「保険に入る前に押さえておくべき3つの制度」で紹介します。
30代に保険が必要と言われる理由3選
そもそも、30代になったら保険に入ったほうがいいとなぜ言われるのでしょうか。
理由は、大きく以下の3つです。
- 保険はいざというときに自分や家族を守ることができる
- 健康状態によって新規加入が難しくなる
- 若いほうが毎月の保険料が安く済む
保険に加入するメリットでもありますので、詳しく解説していきます。
保険はいざというときに自分や家族を守ることができる
保険はいざというときに自分や家族を守ってくれるものです。
例えば、30代で子どもがいる場合、子どもが独立するまであと何年あるでしょうか。
子どもが独立するまでの間に、万が一亡くなったら家族の生活や子どもの学費はどうなる考えてみてください。
遺された家族が経済的に安心して生活していくために生命保険があります。
独身の場合でも、
- 自分が病気やけがで医療費がかかって支払いができない
- 収入が減って生活費が足りない
こんな悩みがあったら不安ですよね。
医療費を気にせず治療に専念するために医療保険が、収入減の備えとして就業不能保険があります。
健康状態によって新規加入が難しくなる
保険に加入するときは、必ず健康状態を申告する告知があります。
告知では、過去の病歴だけでなく、通院歴や健康診断の結果まで細かく申告が必要です。
例えば、1年~5年以内の通院歴や処方された薬の種類、直近2年以内の健康診断結果などです。
年齢を重ねるごとに、健康診断で再検査項目が出てきたり、病気が見つかったりする可能性は高くなりますよね。
健康状態が悪いと保険会社の審査に通らず、
- 保険が必要なのに入れない
- 割高な保険料を毎月払わなくてはならない
という状況になります。
健康なうちに納得のできる保険を選びましょう。
若いほうが毎月の保険料が安く済む
どの保険でも年齢が若いほど毎月の保険料は安いです。
理由は、先ほど説明した健康状態に関係しています。
年齢が高くなればなるほど病気になるリスクが高くなりますよね。
年齢が若いと病気や死亡のリスクが低いため、保険料が抑えられているのです。
まだ保険に入っていなくて、これから検討する人は誕生日が来る前に保険に入ると良いでしょう。
30代で生命保険に加入するデメリット
保険に入る必要性はわかったけど、保険に入るメリットがあるのか不安になりますよね。
そこで、保険に加入する以下のデメリット
- 保険を使わないと損していると感じる
- 加入した保険が将来的に使えなくなることもある
についてわかりやすく紹介します。
【デメリット1】保険を使わないと損していると感じる
何もないことが1番ですが、保険は使ったときに入っていてよかったと感じるものです。
そのため、保険を使うシーンがないと毎月の保険料がもったいないと感じてしまいます。
保険に加入したときの気持ちや、なぜ加入したのかを思い出して、必要な保険だと再認識しましょう。
もちろん、入っていても不要な保険だと判断したら解約してくださいね。
【デメリット2】加入した保険が将来的に使えなくなることもある
多くの保険会社が出している医療保険やがん保険は、一生涯の保険になります。
日々医療は進化し、医療に合わせて保険会社は保険内容を改訂します。
つまり、30代で入った保険が、70歳のときに本当に使える保険かはわからないということです。
実際に、10年前に入った医療保険は、今の入院事情に適しておらず保険が支払われないこともあります。
保険に入ったから安心というわけではなく、数年に一度見直しをすることも必要です。
【実体験】18歳で病気が見つかり、入れる保険は割高の保険だけ
保険の選び方から少し逸れてしまいますが、私の実体験を紹介します。
私は18歳のときに、血管に炎症が起きる病気になりました。
難病指定されている病気の一種で完治が難しいとされており、長い期間をかけて治療が必要な病気です。
社会人になり保険に入りたくても保険会社の審査に通ることはできません。
加入できる保険を探すも「緩和型」といわれる割高な保険しか選択肢がないのです。
今は、割高な保険料を払って必要と感じている生命保険に加入しています。
健康な人が入れる保険の1.5倍~2倍の保険料を毎月支払っています。
新たな支出として医療費がプラスになっているのに、毎月の保険料も割高で払わないといけないのは大変です。
私が伝えたいのは、いつ病気になるかわからないし、若いから大丈夫という保証はないということです。
病気になったり、健康診断の結果が悪かったりしてから保険に入ろうとしても遅いのです。
健康なうちに、将来必要になる保険を検討する人が少しでも増えたらいいなと思います。
保険に入る前に押さえておくべき3つの制度
日本の健康保険制度は、他国と比べてとても充実した制度です。
高額な医療費がかかったときや、万が一亡くなったときに健康保険から保障を受けることができます。
保険に入るときにあわせて覚えてほしい3つの制度を紹介します。
高額療養費制度
高額療養費制度とは、ひと月(1日~末日)の間でかかった医療費が高額になった場合、自己負担額を超えた分が返ってくる制度のことです。
健康保険証を持っている人であれば、誰でも使える制度です。
※参考:全国健康保険協会 高額な医療費を支払ったとき(高額療養費制度)
ちなみに、医療費がいくらかかるかもあわせて紹介します。
生命保険文化センターによると、1日の平均額は23,300円という調査結果でした。
保険外の費用も合わせた費用です。
医療費自体は高額療養費制度で抑えられるので、保険外の出費を減らすとよいでしょう。
遺族年金
遺族年金には、
- 遺族基礎年金(自営業・フリーランス対象)
- 遺族厚生年金(会社員が対象)
の2つがあります。
自営業・フリーランスの人は、遺族基礎年金のみの受け取りです。
会社員の人は、遺族基礎年金+遺族厚生年金を受け取れます。
例)夫が会社員:平均標準報酬月額(4~6月の収入の平均)が35万円の場合
子どもが1人→月額 約 13.0万円
子どもが2人→月額 約 14.8万円
子どもが3人→月額 約 15.5万円
が遺族基礎年金と遺族厚生年金で受け取れます。
受け取れる期間は決まっているため確認が必要です。
万が一のことがあったとき、どれくらい家族に公的制度からもらえるのか確認したうえで足りない分を保険で補いましょう。
参照:遺族年金(必要保障額シミュレーション)|オリックス保険株式会社 (orixlife.co.jp)
傷病手当金(厚生年金加入者のみ)
傷病手当金とは、病気やけがで働けない状況のときに給与の3分の2が受け取れるものです。
受け取れる条件は以下の4つです。
- 病気やけがで休んでいる
- 療養のために仕事を休む必要がある
- 休んだ日が連続して3日間あり4日目以降も仕事ができない状態
- 休んでいる間に給与が発生していない
最大1年6ヵ月の受給が可能になります。
傷病手当金が支給されるのは、社会保険に加入している人です。
自営業・フリーランスの加入している国民健康保険は対象外です。
そのため、自営業・フリーランスの人は働けない状況になったときの収入減に備えておく必要があります。
保険で備えた方がいい人の2つの特徴
保険の必要性や、覚えておくべき公的制度について理解はできたけど、自分は保険で備えるべきか判断できない。
そう思っている人は、保険で備えたほうがいい人の特徴に当てはまるか考えてください。
【保険で備えたほうがいい人の特徴】
- 貯蓄が少ない人
- 保険があることで安心できる人
現時点で貯蓄が少なく、医療費や収入減に備えられるだけの余裕がない場合は保険に加入しておくことをおすすめします。
自分が安心できるだけのお金が貯まったら、そのときに保険をどうするか検討してください。
いくら貯まったら安心できるのかは人それぞれです。
給料の3か月分くらいあればいい人もいますし、なんとなく100万円あれば安心できる人もいます。
自分の貯蓄額と相談をして、必要な時期に必要な分の保険に加入してください。
「保険はお守り」と思う人もいます。
貯めているお金は何の目的で貯めていますか?
そのお金は、入院したときや家族が亡くなったときの生活費として使うものでしょうか。
目的をもって貯めているお金に手を付けたくない、と思う方は保険で備えるのも一つの手段です。
いざというときに保険からお金がもらえれば、貯めているお金を使う必要はありません。
30代の生命保険の選び方まとめ
30代の生命保険の選び方と付随する選び方のポイントをお伝えしました。
保険は、家族構成や個人の考え方で選び方は変わります。
公的制度を使った上で、自分に本当に必要な保険が何なのかを考えましょう。
なぜその保険が必要なのか理由をはっきりとさせるのが大切です。
パターン別の保険プランを参考に、無駄のない保険選びをしてください。
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